2021年 米国ゴルフ事情

昨年度の米国ゴルフにおける新規ゴルファーについての動向調査結果が届きました。

 

2021年は米国ゴルファーは60万人増加し、3億7050万人(+2%)になりました。

増加したゴルファーのプレー状況は、

下記の3つのカテゴリーに分けたところ同等数という結果になったそうです。

               1.コースのみ

               2.コース以外

               3.両方

上記の結果から、他にも下記のことが見えてきました。

   ・ 人口統計結果でみると、2.(コース以外)のプレーヤーは、1.(コースのみ)よりも年齢が20歳ほど若い。

   ・ 2.(コース以外)のプレーヤーでは、女性(25%)や有色人種(21%)の比率が高い。

   ・ 41%が世帯収入10万ドル(日本円で1000万円以上)以上。

 

2021年度の特徴として若い世代と多様性の傾向が強く現れていることが指摘されており、

過去3年間を通して25%もニューゴルファーが増加し300万人になったそうです。

初心者ゴルファーのコースデビューは、2021年度は320万人で、

非ゴルファーのアンケート調査で「ゴルフに興味がある」と回答した数と同等数でした。

また、その割合は過去5年間で20%増加しています。

 

これらは全て米国における統計ですが、

肌感覚としては、日本のゴルフ市場にも限りなく近い形で当てはまるのではと推測しています。

こうした状況が生じている米国ゴルフ市場の背景として、

・ ゴルフを通して人との繋がりを求める若い世代が増えている。

・ 女性の社会進出と自立が女性ゴルファーの育成に後押ししている。

・ 有色人種の増加についても、多様性を受け入れる文化(白人のスポーツといった限定的なものでなくなった)となりつつある。

・ ゴルフに興味があっても機会が得られなかった人が、コロナによる制限がゴルフを始めるキッカケとなった。

といったことが考えられ、

こうした流れはグローバルに共通して展開されるのではと推察しています。

 

こうした流れを捉えた、今後のゴルフビジネスのマーケティングにおいては、

以下のような点を留意しておくことが重要ではないかと考えています。

・安定したゴルフスクールの運営においては、女性にターゲットを絞ったゴルフスクールの展開が重要となり、特にニューゴルファーの継続的な獲得のためには、若い女性層向けに魅力的なスクールプログラムを提供できることが鍵となる可能性があること。

・多様性を受けいれる文化に象徴される、グッドゴルファーとしての人格的な要素、ひいてはゴルフの持つ精神性の要素についても、ニューゴルファーによって、より支持されやすい環境が生まれつつあること。

・また、ゴルフは、先の見えないコロナ禍において、時には、将来に光明を見出す原動力を与えるきっかけともなりうるのではと思っています。

ゴルフは自己責任のスポーツと言われ、止まったボールを、

自身の判断でルートやクラブを選択し、審判を自身で努めながらゲームを進めていきます。

先の見えない世の中で、自身の人生について決断していかなければならない、

今の社会とゴルフが重なることを知れば、

ゴルフの持つ奥深さに魅了される人も多くいるのではないでしょうか。

私たちゴルファーが、ゴルフに真摯に取り組んでいる姿をニューゴルファーに示さなければいけないと感じます。

なぜなら、初心者はゴルフ経験者の言動からゴルフを学ぶからです。

 

「ゴルフの基本精神は優劣や強弱を争うことではなく、誠実、正直、寛容、惻隠、礼節、謙虚を示し合うことにある。」

(NGF神聖ゴルフ武士道から)

 

NGF Far East

代 表 宮田万起子