NGFでは、ゴルファーを対象に、
7~17歳、18~34歳、35~49歳、50~64歳、65歳以上の
5つの年齢層に分類して統計をとっています。
こうした5つの年齢層のちょうど中間層に当たる35~49歳は、
サンドウィッチ世代と呼ばれています。
過去12ヶ月間で「一人でゴルフをしたことがあるか」と統計を取ったところ、
サンドウィッチ世代の60%以上が一人でゴルフをプレーしたことがあると回答しています。
一方で、サンドイッチ世代以外の他のゴルファーでは、
46%の人が一人でゴルフをしたことがあることにどどまります。
一般的に、サンドウィッチ世代は、
最も社会的な役割を多く担い、多くのストレスにさらされている世代です。
そのため、サンドウィッチ世代は、
ストレス解消や自身の充電する時間として、ゴルフをしているようです。
また、仲間と時間を調整したりするほどの時間的余裕も持てないことから、
空き時間を見つけて一人ででもゴルフに行くという選択は、
サンドウィッチ世代ならではの特徴なのかも知れません。
ニューゴルファーとして、ゴルフを始める世代は、
ちょうど、サンドイッチ世代の子供たちにあたるのではないでしょうか。
海外の夜間におけるゴルフ練習場では、
来場者の平均年齢が20歳くらいと、若年層で占められています。
おそらくそこには学生割引など、若い人を意識的に取り込もうとしている
ゴルフ場の姿勢も影響していると思います。
10代の男女グループが、一人のお父さんの古いクラブを背負い、
順番にクラブを振っている姿が何打席もあり賑わいを見せています。
ゴルフ経験者の友達が、明らかに初めてクラブを握っている他の友人たちにスイングを披露しながら、
和気あいあいとボールを打っている楽しそうな姿は、
ゴルフは楽しいものであることが印象として残り、
未来のゴルファーにつながるであろうと期待させる熱気に溢れています。
ゴルフ練習場が、若い人たちにとって、楽しく集える場所であり、
ゴルフを始めるきっかけを作る場なのだと改めて気付かされた光景でした。
これらの子供たちの親にあたるサンドイッチ世代は、
ゴルフを通して仕事のストレスから解放されたいと願っているように、
子供の将来に息抜きの場を与える機会につながるゴルフを
身につけて欲しいと考えるのではないでしょうか。
日本においてもゴルフの環境は、意識的に変えていかなければ実現できないことです。
大人も子供も同じ一律料金では、
ゴルフは大人のスポーツというイメージからいつまでも脱却できませんし、
将来のゴルファー育成のためにも、社会で支える環境が必要であると感じます。
半日、一日を自由に過ごせる空間と場の提供には、ゴルフ場などでは工夫が必要かも知れません。
また、気軽に戻って来れる、または来たいと思わせる内容であることも重要です。
ショートレッスンやショートホール、早朝、トワイライトといった時間の柔軟性における対応。
ゆっくり一人で寛ぐためのカフェやショップを充実させる場の提供。
クイックとくつろぎを上手に組み合わせることから生まれる商品が鍵になるのではないでしょうか。
「管理者志向から利用者志向に移行するメンテナンス」の章は、
ゴルファー志向の変化に柔軟に対応したいと考えるゴルフ場経営の参考になるかも知れません。
「20%の集団が80%を支配する傾向がある」と
過去のNGF統計から学ぶとすれば、
現在の周囲を見渡してみることで、新たに見逃していた対象が見つかるかも知れません。
ゴルフ経営原論 第一部 ゴルフビジネス
Section 3 管理者志向から利用者志向に移行するメンテナンス
https://www.ngf-fe.co.jp/member/g/software/text/GB/GB_1_4_2-3.html
NGF FAR EAST
代表 宮田万起子