プロスポーツのシーズンが、
どれだけ消費支出に影響を与えるかを示す調査結果があります。
例えば、タイガーウッズの初期の成功は、世界中の何百万人のゴルファーに影響を与え、
話題を盛り上げたことはよく知られている一方で、
販売という観点から見ると、ナイキのゴルフクラブへの販売にはそれほど影響しなかったそうです。
テニスのウィンブルドンでさえも、テニス製品の大きな消費支出を生まないと判断されているようです。
そういったことから、
最近では、「トリクルダウン効果=大企業や高所得者が富むような経済政策を実施すれば、
投資や消費が活発になり、より広い層にも恩恵が及ぶとする考え方」は、
あまり期待できない向きもあるようです。
社会的影響力が高いとされるマスターズについても、
米国市場のゴルフへの関心度を窺い知ることができるものの、消費支出への影響は限定的です。
過去15年間に行われたマスターズ期間中(795週)のうち、
ゴルフの検索人気が20%以上増加したのは、たった33週のみだったそうです。
しかも、その33週についても、ある年の一年に過ぎなかったため、それは特例と言えるのかも知れません。
ゴルフ関連グッズやサービスのオンライン検索を分析しても、同様のパターンが見られるようです。
過去5年間で「ゴルフシューズ」や「ゴルフ会員権」の検索数が上がったのも、
マスターズの上記期間中に限定されています。
もっとも、上記の分析から、私たちが期待するほど、プロゴルフのシーズンにおける消費は見られないことがわかります。
その中で、私たちは新規ゴルファーや、既存ゴルファーに対して、消費支出を促すため、
どのようにプロスポーツのシーズンと紐つけてアピールするかについては、まだまだ工夫の余地があります。
NGF FAR EAST
代表 宮田 万起子